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シロアリ被害はこう起こる!シロアリの侵入手段 ”蟻道” とは?

2019.05.22

皆さん、シロアリがどのように家の中を移動し、家の木材を食い荒らしていくかってご存知ですか?お庭の黒アリのように行列を作って入ってくるの?それとも飛んで入ってくるの?いえいえシロアリはそのどちらでもありません。シロアリは、”自分たち専用の立派な道路”を作ってお家に侵入します。そんなシロアリの立派な道路”蟻道”とは一体どんなものなのでしょうか?
蟻道って何?ってところから蟻道の見分け方、最近の蟻道の”トレンド”まで、蟻道についてとことん掘り下げてみていきましょう!

木村画像  SHUT!スタッフ 木村(蟻害腐朽検査士)

蟻道って何?読み方は?

シロアリは空気の流れ(外気)や光を嫌うため、地表をそのまま歩いて移動することはありません。”アリ”とは言っても普通の”黒アリ”とは全く違う生き物なんですね。シロアリは地中の暗闇の中をエサを探すために移動します。そして、たまたま住宅に到達したシロアリは暗闇の床下から建物に使われている木材を目指して地中から地表に上がってきます。

シロアリ被害の起こり方

そして地表や柱の表面を移動するために「蟻道」と呼ばれるトンネルの道路を作ります。ちなみに蟻道は”ギドウ”と発音します。蟻道とは、読んで字のごとく「蟻の道」です。床下を覗いた時に木材や基礎コンクリートに出来た茶色い土のトンネルを見かけたら、それはほぼ間違いなく蟻道でしょう。

木束のシロアリ被害と蟻道

蟻道は「蟻土(ぎど)」と呼ばれる、土壌や木材のカスにシロアリの排泄物・分泌物を練り合わせたものをセメントのようにペタペタ塗り固めて作ります。基本的には床下のコンクリートや木材に沿わせるように直接、蟻土をくっ付けて蟻道を作るので、トンネルの通り道の形は半円形となります。

大引のシロアリ被害

 

蟻道はシロアリのライフライン?

先述のとおりシロアリは光や風を嫌うため土で蟻道(ぎどう)を作りその中を移動します。蟻道は水やエサを運ぶ「水取り蟻道」や「エサ取り蟻道」などに分けられます。また、蟻道を作ることで移動の際に外敵から身を守ることができます。つまり、外敵から攻撃されることなく住まいを食害できる状態になっているということです。

無数に伸びるシロアリの蟻道

一旦、蟻道が構築された住宅は「シロアリに目を付けられたお家」とも言えてしまいます。蟻道が構築されていく度に住まいは食害が進行していくと考えたらちょっと怖いですよね。最初は床下から被害が始まることが多いのでなかなか気付きにくいのですが、羽アリやシロアリなどを目にするようになった頃には、すでに繁殖が進んでしまっていて被害も大きくなっていると考えられます。また、シロアリは蟻道を作って地中から地上へ、地上から住宅へ這い上がってきますので、土台がコンクリートの家屋でも、2階建てでも3階建てでも安心できません。

 

地表から空中に蟻道が伸びていく

シロアリはレンガ作りの煙突のように蟻土を重ね合せて蟻道を上に伸ばしていくこともできます。木材やコンクリートなどの「壁」を使わずに、蟻土だけで上に伸びていく蟻道を「空中蟻道」と呼んでいます。見た目はまさに地中からまっすぐ伸びた煙突そのもの。”小さな体でよくこんな立派な構造物をつくれるなぁ”と感心してしまいますが、それもそのはず。シロアリは万単位の大群で生活しているのですから大きな仕事も難なくこなせてしまうんですね。

とは言っても空中蟻道は通常の蟻道と比べて支えとなる壁や柱、基礎が無いために耐久性が低く非常に脆い作りです。シロアリは目が見えない昆虫なので、ぶつかった所を「壁」と認識します。そして「壁」に沿って蟻道を作り始めます。高さのない廃材などに当たってしまっても蟻道を作り始めるため、その結果として空中蟻道が完成します。

空中蟻道

実際に構築された空中蟻道は、10cmくらいで折れてしまうことがほとんどです。ですから、空中蟻道の周りには折れた空中蟻道の残骸が山のように積み重なります。シロアリからすると”いつか木材に辿りつける!”と蟻道の建築を続けますが、儚いことにいくら上へ上へと蟻道を作り続けても無駄な努力なのです。

とはいえ、”空中蟻道”があるということは、それだけシロアリの巣に余力があるということ!多少の被害ではなかなか空中蟻道は見られません。空中蟻道=”被害が甚大”または”シロアリの活性が高い”というのがこれまでの経験です。

上までつながった蟻道
稀に上まで繋がった空中蟻道も…

 

外に構築されるシロアリの蟻道

まれに見かける外に作られる蟻道”外蟻道”はご存知でしょうか?光が差し込まなくてジメジメした場所にシロアリの蟻道が作られる事があります。通常は床下の暗闇空間に蟻道が作られますが、条件がよければ外にもシロアリは蟻道を作ることがあるのです。

外のシロアリ蟻道

関東の沿岸沿い以南の地域では、「イエシロアリ」という甚大なシロアリ被害を引き起こす種類のシロアリが生息します。イエシロアリの外蟻道は太く、全国的に生息する「ヤマトシロアリ」の外蟻道とは見た目も違います。

イエシロアリの蟻道
イエシロアリの外蟻道

 

他の昆虫の通り道との見分け方

実は、シロアリ以外にも蟻道をつくる昆虫がいます。それはアリ(黒アリ)です。とくにトビイロケアリなどのケアリ類はお家に侵入するときに蟻道を構築することで有名です。ぱっと見は、シロアリの蟻道と変わりありません。ですが、見分ける簡単なポイントがあります。

 

ケアリとシロアリの蟻道の見分け方

ケアリの蟻道
・手で簡単に崩れる
・木くずで作られることが多い

 

ケアリの蟻道

シロアリの蟻道
・固く簡単に壊せない
・土を固めたような形状をしている

 

シロアリの蟻道

素材がやわらかいものはケアリの蟻道、固いものはシロアリの蟻道です。

 

”蟻道”を利用した悪質業者の事例

実は、シロアリ業者のなかにはお客様にウソを伝えてシロアリ駆除をおこなう業者が存在します。以前、お客様より伺った事例です。

”外の基礎にシロアリの蟻道があるので、今すぐシロアリ駆除しましょう!”

 

地蜘蛛の巣

そう言って見せられたものが、この様な写真でした。一見すると、シロアリの蟻道に見えなくもないですが、シロアリの専門家が見ればぱっと見ただけでシロアリの蟻道ではないことが分かります。

お客様は私が調査に来るまでそれがシロアリの蟻道だと信じ込んでおられました。
では、この構造物はなんだったのでしょうか? 答えは”ジグモ(地蜘蛛)”というクモの巣です。

ジグモはこの様に筒状のクモの巣を作り、その筒の根元に潜むクモです。筒は時間とともに土が付着して、茶色く細長い形になります。このクモの巣をシロアリの蟻道と説明するなんて…。と思ってしまいますが、それくらい好き放題やっているシロアリ業者がいることを事実として捉えなくてはなりません。

ジグモの巣
・柔らかく、手で壊すと筒がスポっと抜ける
・内部はクモの糸で白い
・地上10cmくらいの大きさ

 

シロアリの蟻道
・固く簡単に壊せない
・土を固めたような形状をしている

 

最近の蟻道トレンド

シロアリは、蟻道を使って色々なところから家に侵入します。これまで、床下から(スタンダードな侵入)、外から(レアケース)とご紹介してきましたが、最近の住宅でよく見られる、その他の蟻道をご紹介します。

 

基礎断熱蟻道

高断熱住宅で活用される基礎断熱住宅の蟻道です。基礎断熱住宅のシロアリ被害が近年問題になり対策が取られる様になってきましたが、とはいえまだまだ被害が多いのが実情です。

基礎断熱の蟻道

基礎とポリスチレン系断熱材の間、または断熱材の内部にシロアリが蟻道を構築して建物に侵入します。全く死角で侵入されるため被害は深刻になりがちです。最近では断熱材自体や接着剤に防蟻剤が入った物が使用されることが多くなりましたが、基礎と断熱材のすき間は未だにシロアリの侵入ポイントと成り得ます。

蟻道でびっしりの断熱材

 

化粧モルタル蟻道

基礎の表面を綺麗に仕上げるためにモルタルを塗って仕上げます。そのモルタルが経年劣化でヒビが入ったり収縮することで、基礎との間にすき間ができます。そのすき間にシロアリは蟻道をつくります。

床下に蟻道がないのに被害がある…。というときはこのケースが多いです。

 

タイル貼り蟻道

化粧モルタルと原理は同じですが、基礎にタイルを張付けている場合に基礎とタイルの間に蟻道が作られます。玄関などは、基礎の立上りにタイルで仕上げますので、要注意ポイントです。

タイルの間の蟻道

 

配管蟻道

給排水管などに、凍結防止で断熱材を被覆した配管が使われます。断熱材と配管の間はシロアリの蟻道がよくみられるポイントです。

断熱被覆配管の被害

 

鋼製束の蟻道

最近の住宅は床の柱に鋼鉄製の柱を使いますが、この鋼製束もシロアリの通り道に活用されます。ここを登れば上は木材ですから、そこからシロアリ被害が進行します。

鋼製束の蟻道

 

コンクリートのお家の蟻道

家が進化すると、シロアリもまた違う場所を見つけて侵入してきました。最近の建物は床下がコンクリートになりシロアリの蟻道は作られない。という声をたくさん聞きます。ですが、ベタ基礎でも、土間コンクリートでも関係なくシロアリは侵入するんです。

 

土間コンクリートでの侵入

床下がコンクリートでも必ず隙間は存在します。僅かな隙間からシロアリは蟻道を伸ばし、建物に被害を及ぼします。

土間コンクリートの蟻道

これを見て、”え?どこから蟻道が伸びてるの?”と思いませんか?下の写真が答えです↓

土間コンクリートの隙間

このように、立上り基礎と土間コンクリートには経年で隙間が生じます。コンクリートが水分を蒸発させて乾燥すると僅かに縮んで収縮するのです。そこに数ミリの隙間が発生します。これはどの建物でも必ず生じる現象ですから建物に問題があるわけではありません。ですが、シロアリからすると0.6mmも隙間があれば通過できてしまうほどの空間なので、「床下がコンクリートならシロアリが防げる」というのは大きな間違えなんですね。

 

ベタ基礎での侵入

最近の木造住宅では主流のベタ基礎ですが、ベタ基礎でも蟻道は構築されることがあります。下の写真がベタ基礎の蟻道ですが、一体どうやって入って来ているのでしょうか

ベタ基礎の蟻道

一見、土間コンクリートと同じ入り方に見えますが、土間コンクリートとは違い、基礎際の”水抜き穴”や”基礎固定金具(セパレーター)”の周辺から侵入されることが多々あります。

ベタ基礎のシロアリ被害経路

上記以外にもベタ基礎の場合、配管・配線の貫通部や玄関の周囲がシロアリが侵入しやすい箇所です。ベタ基礎でもシロアリが侵入するポイントが沢山あることは知っておくべきかなと思います。

 

まとめ

よく考えてみるとシロアリは3億年も前から地球で絶滅することなく生存してきた昆虫なわけで、それだけ環境変化に適応してきたということです。
そんななか重要な役割を担っていたのが”蟻道という専用道路”でした。隠れられて、外敵から身を守れて、快適で安全。蟻道を一部壊してみると、兵隊アリが威嚇をしつつ、直ぐに働きアリが修復を試みます。一晩もすれば空いた穴は元に戻ってしまいます。

蟻道を剥がすと兵蟻が出てくる

いまのお家にとっては厄介者でしかないシロアリですが、人間すら居なかった大昔からシロアリは多くの敵から身を守るために蟻道を作って活動してきました。シロアリ業者としても、そういう背景をしっかり把握したうえでシロアリ駆除に努めていきたいですね。

まずは予防を第一に、プラス駆除をおこなう「防除」がSHUT!の基本方針です。


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