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アメリカカンザイシロアリを正しく知ろう!生態と特徴

アメリカカンザイシロアリの糞
近年、日本に移入したシロアリをご存知でしょうか。「アメリカカンザイシロアリ」というシロアリです。このシロアリは日本に古来からいたシロアリとは全く異なる生態をしており、いままでのシロアリ防除が全く通用しない脅威のシロアリです。

この記事ではアメリカカンザイシロアリについて、どんなシロアリなのか、その実態などをまとめてみました。まずは、アメリカカンザイシロアリとは何か?について見ていきましょう。

木村画像  Webマーケティングスタッフ 木村

 

アメリカカンザイシロアリとは

アメリカカンザイシロアリは、レイビシロアリ科に属するシロアリです。近い仲間にはハワイシロアリ、ダイコクシロアリ、ニシインドカンザイシロアリ等がいます。

これらはいずれも、カンザイシロアリの仲間です。「カンザイ」は「乾材」のことであり、乾いた木材でも関係なく食害を受けることに由来します。対して日本で一般的なイエシロアリやヤマトシロアリに代表される「地下シロアリ」は、地下を移動し、比較的湿った木材を好むシロアリです。

地下シロアリは必ず地中から建物に侵入するため、床下の薬剤処理による予防が確立されています。しかし、乾材シロアリは、羽アリが直接木材内に穿孔・侵入するため、事実上どこからでも侵入し、被害にあう恐れがあります。
アメリカカンザイシロアリ
「乾材シロアリ」のなかで日本で最も被害が深刻なアメリカカンザイシロアリは、原産地の北アメリカではカリフォルニア州からワシントン州にかけての西海岸に広く分布しています。日本への移入は輸入家具によるものが主なものとみられていますが、国内の被害地域ではあらゆる被害材の移動や羽アリによって生息域を拡大していると見られています。

 

日本での生息域

日本では1976年に初めて東京都の江戸川区で発見されました。 近年では全国各地でみられるようになり、多発地域では深刻な被害が出ている建物もあります。実は、数年前までは、シロアリ防除業者でさえ一部しか認知していなかった程のシロアリでした。しかし、近年マスコミで注目されはじめたのをきっかけに全国各地で被害の報告が増え、その名を知られるようになりました。

シロアリの分布
現在では、全国に広く薄く生息していますが、多発地域では深刻な問題になっていることもあります。 今のところ、北は宮城県仙台での発見が最北で、都道府県別に見ると、山形県、福島県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、富山県、福井県、三重県、和歌山県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、高知県、福岡県、熊本県、長崎県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県各地に局部的に、しかも集中的に分布しています。
これらはシロアリ防除業者の報告によるものですが、いまだ多くの場合、発見されていないだけということも考えられます。
 

アメリカカンザイシロアリの階級

擬職蟻(ぎしょくぎ)・・・いわゆる働きアリ

アメリカカンザイシロアリの擬職蟻

体長は5~8mm程度。日本の主な種類であるヤマトシロアリやイエシロアリと比べ、平均的に一回り大きいです。カンザイシロアリの若い個体は脱皮後に羽アリや兵隊アリや生殖虫になる可能性があるので「擬職蟻」と呼ばれます。

兵蟻(へいぎ)・・・兵隊アリ

アメリカカンザイシロアリの兵蟻

体長は10mm程度。頭部と顎のみ異常に大きく、褐色なのが特徴です(体は白色)。凶暴なイエシロアリと比べると、攻撃性はさほど強くはありません。戦う兵隊というよりは、コロニーのために犠牲になるような存在です。大きすぎる顎のため、自分では餌をとることができず、擬職蟻から分け与えてもらいます。

ニンフ・・・羽アリの前段階

アメリカカンザイシロアリのニンフ

体長は7~8㎜程度。次に脱皮する時は有翅虫になるので小さい翅の様なものが付いています。色は擬職蟻と同様です。

有翅虫(ゆうしちゅう)・・・羽アリ

アメリカカンザイシロアリの羽アリ

体長は7mm程度。翅を入れると10ミリを超えます。全体的に褐色をしています。光の加減では翅が虹色に見えることもあります。※「有翅虫」は、翅(はね)の有る虫の意です。

落翅虫(らくしちゅう)・・・羽アリが翅を落としたもの。

アメリカカンザイシロアリの落翅虫

体長は7mm程度。一見するとゴキブリの幼虫のようにも見えます。この落翅虫が、女王や王となり、新たなコロニーを作るきっかけになります。

生殖虫(せいしょくちゅう)・・・女王アリと王アリ

アメリカカンザイシロアリの女王と王

体長は10mm程度。落翅虫のお腹を膨らませたような感じです。一見しただけでは女王か王なのかはわかりません。
シロアリはオスとメスが常に一緒にいて繁殖行動をしますが、アメリカカンザイシロアリについても同様です。

 

アメリカカンザイシロアリの食性

アメリカカンザイシロアリは「乾材シロアリ」の名の通り、基本的に乾燥した気乾状態(含水率10~20%程度)の木材を食害します。僅かな木材中の水分を取り入れ、体内の水分を失わないように直腸で排泄物の水分をほぼ完全に再吸収しています。その糞は非常に乾いており特徴的なかたちをしています。

アメリカカンザイシロアリの食害材
しかし、アメリカカンザイシロアリの被害がある建物では、湿った床下や腐朽の進んだ壁の中に被害があることもあります。ここが、一番勘違いされやすい部分です。要は、どんな状態の木材でも食べることができるオールラウンドなシロアリともいえます。

木材に開いた穴
それともう一つ「乾燥に強い」ということもよく言われますが、これも間違いです。「シロアリの中では乾燥に強い」ということは言えるでしょうが、実際に生き物としてみると、水がなく外気に触れた状態ではすぐに死んでしまいます。

 

コロニーについて

アメリカカンザイシロアリは日本固有のシロアリと比べて、1コロニーあたりの個体数がとても少ないのが特徴です。数十~数千匹がせいぜいです。そのため、イエシロアリ(数十万~百万匹にもなる)やヤマトシロアリ(数万~十数万匹になる)に比べると、数的にはかなり少ないといえます。

コロニー
しかし、コロニーが小さい故、初期の段階では被害の発見が大変難しいのも特徴です。実際、コロニーの創設から被害発見まで最低でも4~5年かかっているだろうと思われる事例が多くあります。
 

羽アリについて

人為的な被害材の移動などを除くと、カンザイシロアリの生息域拡大は、ほとんどが羽アリによるものです。もともとのコロニー内の数が少ないので、多くても一度に百匹程度の発生です。一見、平べったいのでカゲロウのようにも見えます。

アメリカカンザイシロアリの羽アリサイズ

発生時期は6~7月がメインですが、条件によっては一年中発生する可能性があります。発生は基本的に温暖な日に多いです。
飛ぶ力は強くなく、せいぜい数百メートルというところですが、近隣への拡大傾向から日本の在来種よりも生存率が高いと思われます。

・大きさ :体長は7mm程度。翅を入れると10ミリを超えます。
・色   :全体的に褐色をしています。光の加減では翅が虹色に見えることもあります。
・形態  :4枚の翅が折りたたまれていて、形が平べったくスマートです。
・触覚  :ヤマトシロアリ、イエシロアリ同様に数珠状です。
・発生時期:6月~7月が発生のメインです。

 

発生の目的とは

シロアリ全般に言えることですが、コロニー(巣)が大きくなり、現在の住処では手狭になった場合、新しい住処を探す行動に出ます。しかし、シロアリそのものの状態(カンザイシロアリで言うと擬職蟻)では遠く離れた場所へ移動するのは非常に困難です。そのため羽アリという外気に適応した形(外皮が乾燥に強かったり、移動できるための翅がある)に変化するのです。

羽アリは繁殖能力のあるオス(王になる)とメス(女王になる)がいて、巣の外で出会ってつがいになり共同でコロニーを創設します。
また、羽アリには新しく住処を探す(コロニーを作る、分布を広げるも同義)という目的の他に、多くなりすぎた個体数を減らす目的があるのではないかという説があります。
 

砂粒状の糞とその排出口

アメリカカンザイシロアリは、砂粒状(顆粒状)の糞を外部に排出します。この糞が、カンザイシロアリの被害発見の手がかりになることが一番多いです。
屋根裏、床下、軒下や家の外周りなどに盛り塩のように積もっていれば、アメリカカンザイシロアリの糞である可能性が高いです。

カンザイシロアリの糞
カンザイシロアリの糞

糞らしきものを見つけたら、注意深くルーペで観察しましょう。一番長い部分が0.7~0.9mm程で俵状をしていれば、カンザイシロアリの可能性が高いです。落翅虫が侵入して間もないうちは、糞を出さず、木屑のみを排出します。この木屑も特徴があるので羽アリの痕跡などと合わせて調査します。
 

糞の特徴

・大きさは0.7~0.9mm程
・パラパラと非常に乾燥している
・とても硬く、爪で圧してもつぶれない
・掃除をしてもまた同じ場所に排出される
・形が一定で俵状、またはゴマ粒に縦に筋がはいっている

 

アメリカカンザイシロアリは、その砂粒状の糞を排出するために、排出口(虫孔や糞孔ともいいます)を利用します。排出口の大きさは1ミリ程度のものは画鋲で穴をあけたようなものから、5ミリ程度で糞などで塗り固めてあるものまで様々です。

カンザイシロアリの糞孔
アメリカカンザイシロアリの糞口

実際は注意してみないと専門家でも見落としが出るくらい見つけにくい穴です。初めてみた人はこれが画鋲の穴にしか見えません。確かに専門家でもこの穴を一つ見ただけでは判断できないこともあるのですが、糞で塞いである穴や周辺の状況を見てある程度の判断はできます。ただ、初期の状態で見つけることは大変難しいです。
※比較的大きな排出口はカンザイシロアリの糞や分泌物で固めて塞がれていることが多いです。

この糞の排出口を見つけることができれば、その周辺にアメリカカンザイシロアリが生息していることはほぼ確実です。

 

駆除方法

1.液剤(ムース状薬剤)による穿孔注入処理

日本及び海外で最も一般的に行われているのが、被害個所及び被害個所と思われる部分に液状(ムース状)の薬剤を注入して駆除する方法です。

ドリルでの穿孔
薬剤の注入

ただ、その方法も現状では業者間でかなりの違いがあります。できるだけ少量の薬剤をピンポイントで処理する業者もいれば、被害の及ばないところまでやみくもに穿孔し、その後屋根裏に大量散布したりする業者もいます。

やはり、これらは経験の違いによるものであると思われますが、薬剤という名の殺虫剤を使用する以上、できるだけ使用量を抑え、住まわれている方の健康や建物のことを考えたアドバイスや提案をしてくれる業者を選ぶことが賢明ではないかと思われます。

薬剤の噴霧
薬剤の準備

穿孔注入処理のメリット

穿孔注入処理のデメリット

・費用が安い

・完全な駆除が難しい

・残留効果が期待できる

・業者間で施工品質にばらつきがある

・国内、海外での実績がある

・国内に経験の多い業者が少ない

 

液状(ムース状)薬剤による穿孔注入駆除施工の基本

・全ての虫孔の隅々まで薬剤を到達させる。
・その為に必要なところにもれなく穿孔し、薬剤の加圧注入をすることが不可欠となる。
・薬剤は忌避性のないものを選定する。
・実績のある原体名:クロチアニジン、クロルフェナピル、フィプロニル、イミダクロプリド等
・侵入から現加害箇所までの経路を想定した施工が大事

 

 

2.毒ガスによる燻蒸処理

※当社では燻蒸処理に対応しておりません
アメリカでは、薬剤による駆除処理よりも、毒ガスによる燻蒸処理が一般的です。 これは、建物をビニールシートですっぽりと覆ってしまい、その中に毒ガスを入れてすべての 生物を殺してしまう、という方法です。 日本でも文化財や古文書の保管庫などの害虫を駆除する場合に採用されますが、費用の面や日本の住宅事情を考えると現実的な工法ではありません。また、毒ガスは残留効果がありませんので再侵入される恐れもあります。

燻蒸処理
燻蒸処理

燻蒸処理のメリット

燻蒸処理のデメリット

・建物内全てのカンザイシロアリを駆除できる

・費用が高い(国内で施工すると百万円以上)

・アメリカでは実績がある

・近隣許可が難しく住宅地では施工不可

・上記に関連して日本では実績があまりない

・残留効果がないので予防にならない

 

燻蒸処理と使用成分について

従来、建物の燻蒸処理には臭化メチルが使用され、日本しろあり対策協会が1973年に制定した規定でも臭化メチルを指定していました。しかし臭化メチルは「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書締結国会議」により、2005年1月より、検疫用途などを除き製造販売が禁止となりました。
すでにアメリカでは、これら規制がはじまる以前よりフッ化スルフリルが使われておりそのシェアは85%であったといわれています。

 

現在燻蒸処理に使用されている成分:フッ化スルフリルについて

米国ダウ・アグロサイエンスが開発し、1961年に上市さました。わが国でも昭和30年代より燻蒸剤として使用されており、カミキリムシ・ゾウムシ・キクイムシ類に有効であることが各種試験でより確かめられています。
その他、殺虫効力が高く・気化後対象物に対し腐食性・反応性がない。使用後大気中で急速に拡散後分解するので環境を汚染しない。吸着性が低いために排気時間が短く、長期間残留しない。変異原性、発がん性がない。無色、無臭で空気より僅かではあるが比重が大きい。など。
注意事項:万が一現場で燻蒸処理に立ち会う際は、暴露限界濃度5ppm以下になっても専門家の許可なく建物内へは入らないこと。

 

最後に

アメリカカンザイシロアリについてお分かりいただけましたでしょうか。まだ被害は局所的で、日本では珍しい種類のシロアリです。しかしながら、家屋への侵入方法が日本固有種であるヤマトシロアリなどと全く異なり、建物のどこからでも侵入されてしまう怖さがあります。万が一、「粒状の固い糞のようなものが溜まっている」、「6~7月に赤黒い羽アリが出てきた」、「輸入家具から粉が出る」などの異常がありましたら、専門の業者に調査を依頼されることをおすすめします。

まずは予防を第一に、プラス駆除をおこなう「防除」がSHUT!の基本方針です。


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