こんなにある!シロアリ対策工事の種類|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2018.08.28 / 更新日 2023.05.23

シロアリ駆除

こんなにある!シロアリ対策工事の種類

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

一口にシロアリ対策や予防・駆除工事といっても、薬剤の種類やそれに合わせた施工方法は多岐にわたり、工事の種類によって金額・保証内容などは異なります。また、お住まいの構造や業者によって、対応できる工法・対応できない工法がありますので、家を建てた住宅メーカーや複数の専門業者と相談するなどして、工事方法を決定するのがよいでしょう。
この記事では、シロアリ業界の中でも施工されることの多い一般的な工事の種類をご紹介します。

液剤施工

床下の土壌や床下に使われている木材に、液状の薬剤を散布・吹き付け処理を行う事で、シロアリからの被害から守ります。最も一般的な防蟻施工であり、当社で主に行なっているのもこの工法です。当社では一階の床下全面に施工することで、5年間の保証をお出ししています。

ベイト工法

ベイト工法

維持管理型シロアリ防除システムとも言われ、他の工法が建物の床下を中心に施工する一方、この工法では建物の外周に施工します。

建物周囲の地面に「ステーション」と呼ばれる容器を埋め込み、そこへ遅効性の毒餌を投入し、その毒餌をシロアリに食べて持ち帰ってもらうことで巣全体に薬剤が伝搬し巣の根絶を狙う工法です。

ペットやお子様がいらっしゃるなどの理由で床下への薬剤施工を避けたいお客様のほか、建物の構造上、床下がない作りの場合や浅草寺など歴史的文化財でも利用されています。

工事費用は建物の外周の長さで変動します。決まった間隔でのステーションの設置が不可欠なので、隣家と隣接していたり、敷地いっぱいに建物が立っているお住まいの場合は施工が難しい場合があります。

 

テクノガード工法

テクノガード工法では、防蟻剤を含ませたポリマーと呼ばれる樹脂に硬化剤を混ぜ合わせた混合液を床下全体に散布します。

樹脂は時間の経過とともに硬くなり、1年ほどするとカチカチに硬化します。

この硬い樹脂の層は、シロアリから大切な建物を守るだけでなく、土壌から上がってくる湿気を85%もカットすることが可能で、湿気から発生するカビや腐朽を抑制する効果があります。

そのため、シロアリも対策したいけど湿気も気になっているといったどちらにもお悩みのお客様にはこの工法が適しています。

施工の際に床下土壌面がなるべく平らになるように(樹脂層が均一に形成されるように)床下の石や障害物を取り除くなど通常の対策に比べ手間はかかるもののしっかりと処理ができれば他に類を見ない非常に優れた工法と言えます。

粒剤施工

床下の基礎際に粒状の防蟻薬剤を盛り積みし、配管などの立ち上り部分には防蟻成分の入った塗料を塗布して防蟻対策とします。粒状の薬剤のため、成分が床上に上がってくることがなく、お住まいのお客様にとって安全性の高い薬剤です。一部の住宅メーカーなどで導入されており、当社でも一部の住宅メーカーのお住まいで対応しております。

防蟻防湿シート工法

床下基礎内に防蟻・防湿効果のあるシートを引き込み、基礎際、配管際には防蟻薬剤を処理して防蟻対策とします。シートに薬剤成分が練り込まれているため、成分が飛散したり蒸発しないことが特徴です。当社では、一部の住宅メーカーのお住まいで対応しております。

※上記に挙げた工法はあくまでもシロアリ対策方法の一部となります。

薬剤の成分を詳しく知りたいときは

アレルギー・化学物質過敏症などの理由で、より詳しく薬剤の成分や安全性を知りたい場合は、薬剤の製造会社から「化学物質等安全データシート(略称MSDSまたはSDS)」という文書を提出してもらうのがよいでしょう。データシートには使用されている化学物質や安全性、環境への影響などが数値によって明記されています。ウェブサイト上でダウンロードできるよう公開している会社も多いです。